アセットアイデア

マンション建替えの法律・制度の整備

戦後に建築された多数のマンションの老朽化に対応するため、日本政府はこれまで建替えを促す制度づくりに取り組んできました。(2020年3月、アセットアイデア)

区分所有法

マンションのように一つの建物を複数の所有者で管理する場合、「区分所有法」という法律が適用されます。正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」といいます。1962年(昭和37年)に制定されました。

区分所有者の所有物となる「専有部分」や共同で使う「共用部分」の区別をはじめ、区分所有者間の規約などを定めています。しかし、制定当初は、建替えに関する明確な規定はありませんでした。

1983年改正「5分の4以上の賛成」で決議

1983年(昭和58年)に区分所有法が改正されました(施行は1984年1月)。この改正により、マンション建替えについては、所有者の5分の4以上の賛成があれば決議できるとの規定が定められました。

「修繕に過分な費用」が条件

ただし、決議にあたっては、建替えた方が合理的かどうかを判断する「客観的要件」が必要とされました。「建物の老朽・損傷」などによって「維持や修繕に過分の費用がかかる場合」のみ決議ができるという条件が付いたのです。

この「過分の費用」という法律上の文言をめぐり、各地のマンションでトラブルが生まれました。過分な費用がどれくらいなのか規定されていなかったためです。建替え賛成派と反対派が、決議をめぐって裁判で争うという事態も起きました。

2002年改正で「過分の修繕費」要件を撤廃

2002年(平成14年)に再び区分所有法が改正されました。老朽化が進行しているマンションについては区分所有者および議決権の5分の4の賛成だけで建替え決議が可能となりました。過分の修繕費用といった「客観的要件」の項目が撤廃され、合意形成があれば建替えが可能となったのです。

マンション建替え円滑化法

さらに、2002年には「マンション建替え円滑化法」が施行されました。この法律では、マンションの建替え決議後に事業を進めるための手法が定められました。

具体的には、工事契約や権利変換をスムーズにするために法人格を持つ「建替組合」を作る手続きがルール化されました。権利をディベロッパーに譲渡せず、区分所有者が建替組合をつくって取り組む道が拓かれたのです。権利保全が図られることで、それならば建替えようという管理組合が出てきたと言われています。

2014年改正で建替え時の容積率緩和

マンション建替え円滑化法は2014年に改正されました。耐震性が不足している場合、一定の条件で建替え時の容積率が緩和されました。また、5分の4以上の賛成があれば、敷地売却もできるようになりました。

東京都の独自の条例

東京都は2019年3月、「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」を制定しました。管理組合の設置が明記された1983年の区分所有法改正よりも前に建った一定条件のマンションについて、管理状況の届け出を原則義務化しました。

その上で、長期修繕計画を踏まえた修繕工事が行われていないなど「管理不全の兆候がある」マンションについては、行政から助言することになりました。

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